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古今伝授の里

<古今伝授とは何だ?>先月郡上八幡を訪れた時、大和町に「古今伝授の里」というフィールド・ミュージアムを見つけた。山の斜面を紅葉公園にしたような広大な敷地に設計をこらした建物が点在していて、一見テーマパークの趣である。古今集は10c初頭紀貫之等によって編纂された最初の勅撰和歌集だが、時が経つと編纂者も読み人も居なくなり、歌の背景とか真の意味が一般の人には分かりずらくなって曖昧なまま年が過ぎたらしい。この間定家など専門家は勿論理解していたが、武士の時代になって例えば大名等に古今集を理解させるには家庭教師が必要と言うことでその専門職を古今伝授という との事だ。この祖と言われる人が大和町出身の東常縁(とうのつねより1405年生まれ)で同家に伝わる古文書等を展示し、広く日本文化の粋と言われる和歌の復興に寄与すべく建設された施設である。写真にある立派な施設は研修にも使われる篠脇山荘であるが目を奪われる素晴らしい建物である。